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事例紹介

Case

出版システム新聞社系出版

中日新聞社事業局出版部
システムバージョンアップで作業効率化
新聞社ならではの仕組みにも対応

新聞記事の内容《PDF》 A4資料《PDF》

出版システム
(販売管理システム)
中日新聞社事業局出版部様(文化通信bBB 2018/1/29 掲載)

中日新聞社事業局出版部

所在地 〒460-8511 愛知県名古屋市中区三の丸1-6-1
電 話 052-201-8811(大代表)

 中日新聞社の出版部門である事業局出版部は、2017年8月に光和コンピューターの販売管理システムをバージョンアップ。出版VAN対応による電話・FAX受注の削減や、作業時間の短縮などを実現するとともに、新聞販売店での受注データを取リこむことも実現するなど、作業効率を向上させている。

書籍は年12点、月刊誌2誌刊行

 中日新聞事業局出版部が刊行する出版物は、書籍が年間12点ほどと、1970年に創刊した『中日新聞縮刷版』、そして雑誌は1983年4月創刊した『月刊ドラゴンズ』(プロ野球)、1994年3月に創刊した『月刊グラン』(サッカー)の2誌を発行している。

 本格的な出版事業は、戦後の1945年12月に中日新聞社の業務局出版部としてスタートした。翌1946年5月には企画局出版部となり、1949年1月に企画局を廃して出版局となったのをはじめ何度かの統廃合、改称を経て、2009年6月に現在の事業局出版部となった。中日新聞事業局・野島庸平出版部長は出版部の歴史をこう語った。

新聞販売店ルートが約40%

 出版物の販売ルートとしては、書店ルートのほかに中日新聞の販売店がある。書店と新聞販売店の比率は、ほぼ書店が60に対して新聞販売店が40。出版部・松山佳保里氏は「販売店ルートの売り上げ状況も、書店同様に決して良くはないが、2017年7月に発行した『浅田真央報道写真集』は、地元の新聞読者に好評で、特に新聞販売店ルートで好調だった」ど述べる。

 また、地元のサッカーチーム「グランパス」のJ1復帰が決まったことで、『月刊グラン』の売れ行きも良いという。

2003年に光和のシステム導入

 システムは1985年に取次への納品・返品データといった販売データ、在庫データを管理するシステムを内製で構築した。それを20年ほど稼働させていたが古くなったことなどから、「新聞社の出版部門として出版専用のパッケージソフトを使らていこうという方針に変更した」と経営システム部近藤祐司部長。このときに光和コンピューターのシステムを導入することになった。

 2003年に日立製作所に発注して導入したのが、光和コンピューターの出版システムだった。その後、2005年には定期購読システムを追加導入している。

 2010年にはハードウェアのみを更新し、2017年8月にはハードを更新するとともに、システム全体のバージョンアップを行った。

 導入時はデータベースの移行にとても苦労したというが、バージョンアップではデータベースの移行作業を光和コンピューターに依頼してスムーズに行うことができた。

 また、売り上げは新聞社の一部門として本体と合算するため、出版システムで作成した売上仕分データを全社の会計システムに転送することで経理システムと連動させている。

電話・FAX受注を大幅削減

 以前のバージョンでは、専用にカスタマイズすることによって、原価管理と在庫管理ができるように設定していたが、今回は光和システム導入に当たり管理システムがオプション扱いだったため、チャージ型原価管理システムを導入した。

 また、これに伴って、出版VANの受注・返品データを管理ができるように、出版VANシステムを新しく導入した。このことによって、「電話・FAXでの受注だけではなく、各取次からの注文冊数がまとまったデータを取りこむことが可能になり、作業効率が向上した」と経営システム部・中川真衣氏は導入効果を説明する。

 これに伴って、電話・FAXでの受注件数が大幅に削減され、返品もデータで処理できるようになったことで業務を大幅に軽減できた。さらに、月次処理などの処理能力が上がり、作業時間を短縮できるという効果もあった。

 新システムへの移行によるコスト面での効果について近藤部長は、「運用費用そのものが下がったというよりも、出版部の人員や利用頻度などからみて、保守料を含めて比較的安価にできていると評価している」と話す。

新聞販売店のウェブ発注データを共有

 新聞販売店からの受注データは、従来は中日新聞販売局のシステムから出力したデータを、各販売店ごと、アイテムごとに出版部が出版システムに入力していたが、今回受注データを出版システムに一括で取り込むことができるシステムを導入した。

 新聞販売店が利用するネットワークシステム「GCネット」と出版システムを連携させるごとで、新聞販売店がウェブで同社出版物を注文すると、自動的に出版部のシステムで取り込めるようになった。

 受注した出版物は日々の中日新聞と一緒に新聞販売店へ配送。請求は月末締めで、配送した翌月中旬に新聞販売店ごとの請求データを販売局に送り、翌月末支払いとなる。