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事例紹介

Case

書店システム

紀伊國屋書店
新型「KINOナビ」を導入
光和コンピューターが開発
書籍検索、ポイント、電子書籍などの店頭連携図る

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書店システム
(書店の検索端末システム「KINOナビ」)
紀伊國屋書店 様(文化通信bBB 2012/12/03 掲載)

 紀伊國屋書店は今年6月から、店舗の検索端末「KINOナビ」を光和コンピューターのシステムに移行している。新たにポイント照会機能を付加したほか、検索画面の上部に書籍広告を放映するデジタルサイネージ「ほんやチャンネル」を搭載するなど、機能強化を図っている。

中小規模店にも設置へ

 新型の「KINOナビ」は、光和コンピューターが提供する店舗端末「PiTSPOT(ピットスポット)」の筐体と、検索システム「Webタッチパネル」をベースにして、紀伊国屋書店専用に開発した。

 6月に横浜店とさいたま新都心店に導入したのを手始めに、8月までに8店舗に導入し、9月には新宿本店に19台、さらに年内に7店舗に導入。今期中(2013年8月)には国内64店舗中31店舗への導入を予定している。

 最終的には小規模のグランドビル店(大阪市)、千歳店(千歳市)を除く62店での導入を予定しており、この中には従来「KINOナビ」を設置していなかった中小店舗も含まれている。これは、検索機能に加え、ポイント照会などの新機能が加わったためだ。導入台数は約200台を想定している。

 店売総本部店売推進本部・西根徹本部長は、新型のメリットとして、「検索のレスポンスがよくなったことと、一体型になったことで、移動やメンテナンスが容易になりました」と話す。

99年に福岡本店で同入開始

 「KINOナビ」は当初、1999年5月にオープンした福岡本店(福岡市)で導入を開始した。同店は同社で初めて棚番による本格的な単品管理を始めてた店舗だったことに加えて、「当時は書店界で1フロア最大の1000坪の店舗で、どこに何があるか探すのが大変でしたので」と、今年9月まで福岡本店に在籍した店売総本部店売推進本部・田中希望部長は導入した経緯について説明する。

 その後、新宿本店(新宿区)、梅田本店(大阪市)ほか全国56店舗に導入してきたが、ハード・ソフトともに老朽化が進んだため、2010年にシステムを入れ替えることになった。

 光和コンピューターとは、2008年12月に開店した丸亀店で書店システム「BOOK ANSWER」と「Webタッチパネル」を導入。2010年から全店の書店システムを順次「BOOK ANSWER」に入れ替え、2012年11月までに導入を完了。「Webタッチパネル」は横浜みなとみらい店(横浜市)、いよてつ高島屋店(松山市)、梅田本店で導入実績があった。

電子書籍との連携も

 新型「KINOナビ」は、ポイントの残高照会、キャンペーン情報の表示などを可能にし、「ほんやチャンネル」のサイネージを搭載した。

 同社のポイントサービスは、店頭、オンライン販売、電子書籍で連携しており、会員であればサイト上で残高などを確認できるが、「店頭で申込用紙を使って登録したお客様の中には、メールでアプローチできない方もいらっしゃいます。そういう方に店頭で確認していただくこともできるようになります」と西根本部長。

 また、検索結果には電子版の有無も表示するようにした。同社では電子書籍を販売するサイト「BookWebPlus」を開設し、電子書籍アプリ「Kinoppy」を提供している。こうしたオンラインでの電子書籍配信に加え、現在、各店舗に公衆無線LANサービス「紀伊國屋書店Wi-Fi」の導入も開始し、電子書籍と店舗との連携を図っている。

 検索結果に電子版の有無を表示することで、「在庫切れの書籍でも電子版を購入していただける導線にしてもらいたいと考えています」と西根本部長。また、「今まではサービスごとにシステムがありましたが、すべてを連携させていこうという流れです」と田中部長は説明する。

「ほんやチャンネル」で動画配信

 「ほんやチャンネル」は、もともと通販大手のニッセンを光和コンピューターが開発したデジタルサイネージシステムで、書籍広告などの動画が配信される。コンテンツはニッセン、光和コンピューター、紀伊国屋書店が共同事業として営業、制作している。

 同書店ではPOSレジにもサイネージを設置しているが、POSのサイネージは静止画、「ほんやチャンネル」は動画という棲み分けを行っていく。今後は店舗の大型サイネージ「KINOビジョン」の動画コンテンツとの共通化も図っていくという。