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事例紹介

Case

出版システム雑誌系出版

商業界
定期購読の内製化で「心臓」を手に入れる

新聞記事の内容《PDF》 A4資料《PDF》

出版システム
(定期購読システム)
商業界  文化通信bBB 2018/8/27 掲載)

(株)商業界

設 立 1948年(昭23) 8月12日
資本金 6200万円
代表者 中嶋正樹代表取締役社長
所在地 〒106-8636
東京都港区麻布台2-4-9
商業界会館
電 話 03-3224-7477(代表)

 商業界は2017年に光和コンピューターのシステムを稼働、 外部に業務委託していた定期購読管理の内製化を実現し、データの活用や作業の軽減などが可能になった。
 三浦慶太総務人事部長兼販売部長は、これによって、不測の事態にも対応できる“心臓”を手に入れたと表現する。

8月に創業70周年

 同社は1948年、戦前に小売業の雑誌記者をしていた倉本長治氏が中心になって、「店は客のためにある」「損得より先に善悪を考えよう」という基本理念を掲げて創設され、今年8月に70周年を迎えた。

 小売流通業の経営専門誌『商業界』をはじめ、『販売革新』『食品商業』『ファッション販売』の月刊誌、各誌の別冊・増刊、年鑑『日本スーパー名鑑』の刊行、そして書籍を年間10~15点 刊行する。

 このほか、小売業の実務者向けセミナーや、毎年2月にはほぼ全都道府県から商業者が集まる2泊3日・定員800名の「商業界ゼミナール」を開催。他にも、企業研修、検定試験、通信教育といった事業を展開している。

 昨年10月にはWEB雑誌「商業界オンライン」を立ち上げ、小売流通業に特化したニュースや、人材育成に役立つ「コンテンツを発信している。

定期購読者管理を外注

 雑誌は書店売りと定期購読がほぼ半々で、以前は購読者管理を含めて発送作業を外部業者に委託していた。

 しかし、購読者の住所変更など データはFAXで送って発送業者側で反映するという作業工程になっており、同社内で電話を受けて指示書を出力するオペレーターを置くなど、手間と費用がかかっていた。また、データの二次利用といったことも難しかった。

 このため、購読者管理を社内で行うことができるシステムの導入を検討。システム会社7社を比較したが、「当社の雑誌は企業がとりまとめて従業員が購読しているケースが多く、この場合、配送先は個人、請求は企業となりますが、これに対応できるシステム会社がありませんでした」と三浦部長は述べる。

 そんな中で、「光和コンピューターはカスタマイズで対応可能なうえ、提案いただいた中で費用もいちばんリーズナブルだった」(販売部・柏田弘晶氏)ことから導入を決めた。

 2016年冬から要件定義などに着手。2017年8月にサーバーを入れてテスト稼働を開始。並行稼働を経て12月 から本稼働した。

事務作業軽減で営業に集中

 システム導入に当たっては、業務委託先の顧客データをコンパートする必要があった。長い歴史の中で、販売管理システムの顧客マスタや、外部業者との間で使用している顧客マスタなど、複数のマスタが存在していた。また、同一顧客がダブって登録されているなど、非常に煩雑な状況にあった。「複数のマスタを統一するための名寄せ作業が、本当に大変でした。導入作業の間にも当然新規登録や住所変更があるため、それらの差分を含め、最終的に4回のコンバージョンを行いました」と柏田氏。

苦労の末、内製化に成功

 同社販売部は取次・書店ルートと企業営業を担当する正社員6人と、電話対応・入力などを担当する契約社員4人。新システムの稼働により「本来の仕事は営業なのに月報作成など事務作 業に時間をとられていた」(三浦部長) といった課題が解消された。

 データ処理でも、委託業者のデータをExcelなどに転記して管理していた前受・売掛残高なども、社内システムで管理することで手間の削減とともに、正確性も確保できた。

 「定期購読を一つのシステムで完結させることができたので、データの二次利用など自由度が広がった。また万が一、発送業務の委託先でトラブルがあっても、他で対応できる“心臓”を手に入れた」と三浦部長は表現する。

新刊情報

『こうして店は満れた 地域土着スーパー「やまと」の教訓』
(8/25発売)
小林久 本体価格1,500円
四六/240ページ/ISBN 978-4-7855-0539-4/