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新文化に『マイナンバー 出版社の対応は3パターン』記事掲載

新文化 2015年10月1日掲載
『マイナンバー 出版社の対応は3パターン』
光和コンピューター 執行役員 前田 肇

一般的に出版社が導入している「印税・原稿料支払管理システム」では著者別・タイトル別に印税や原稿料、経費などを入力または算出し、著者に支払う報酬を管理している。それを基に支払調書が作成されるが、来年1月からそれら法定調書へのマイナンバー(個人番号)の記入が義務づけられる。
出版社の対応方法は次の3パターンが想定されている。
個人番号が記入された支払調書などは「特定個人情報」の扱いを受けるため、自社システムに個人番号が記載された著者マスタを追加した場合、技術的にアクセス制限のかかったプログラムが求められる。
国内の人事給与関連の統合型業務不ソフトウェアパッケージ(ERPパッケージ)の場合、ベンダーの技術でマスタに個人番号を追加しているが、セキュリティ上、データベースは分離して提供されている。
ERPパツケージは全社的なシステムで、これを導入済みの出版社は経理・編集・人事部門など横断的なルールづくりやアクセス制限など技術的安全対策が求められる。
個人番号の対応プログラムがない、または簡易な出版社システムで業務を遂行しているケースでは別途、個人番号管理の単独システムを導入し、社内ネットワークとの連携を図る必要がある。ただし、社内ネットワークからの個入番号の情報漏洩を防止するため、技術的に安全を担保できる仕組みが不可欠になる。
例えば、限定されたパソコンのハードディスクドライブ(HDD)に暗号化された故人番号を登録し、遠隔環境で安全措置を講じる。専用プログラムでHDDから個人番号を呼びだし、自動的に支払調書などを出力する仕組みが想定される。
この仕組みは出版社オリジナルで開発するシステムやベンダーが提供する標準システム、テンプレートで構成されるものなどがある。いずれのシステムシを導入するにしても、システム会社に相談することを勧める。
サーバーを社内に保有せず、ネットワークを介して、クラウド上のコンピュータシステムと社内のクライアントPCと接続し、個人番号を管理する方法がある。従来のシステム開発費などが削減できるほか、マイナンバー業務の効率化やコストダウンが図られるメリットがある。
しかし、クラウド型サービスは利用の開始から終了まで毎月ランニングコストが発生するため、対象となる著者数や利用期間によって、コストダウンが図れないケースもでてくる。
事前にサービス範囲を明確にしてから利用を検討すべきだ。
今回のマイナンバー制度では個人番号の収集・利用・保管・廃棄のプロセスをどのように実現するかがポイントとなる。
前記の対応方法で示したメリット、デメリットを十分考慮しながら、出版社のIT投資体力に合った方法を選択することが望まれる。

「新文化」の記事(PDF)

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