三修社
語学出版の老舗がシステム導入で効率化
販売管理と印税管理を実施
出版ERPシステム
株式会社 三修社 様 (文化通信bBB 2011/8/29 掲載)
株式会社 三修社
代表取締役 | 前田俊秀 |
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本 社 | 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前2-2-22 青山熊野神社ビルB1F TEL 03-3405-4511 |
市ヶ谷受注センター | 〒162-0843 東京都新宿区市谷町2-7-15 近代科学社ビル B1F TEL 03-3269-0131 |
外国辞書などの出版で知られる三修社は、2006年から東京・新宿区の近代科学社ビルに市ヶ谷受注センターと常備在庫を置き、取次や書店などからの注文処理と出荷業務を行っている。2010年には光和コンピューターの販売管理システムを稼動させ、業務の効率化を図っているという。
創業から70年余
同社は1931年にドイツ語学習雑誌『基礎ドイツ語』を発行し、1938年に会社として創業。その後、語学では英語、フランス語、韓国語、中国語などに領域を広げ、法律書、資格試験、大学教材などにジャンルを拡大してきた。
また、1985年に日本電子出版史上初のCD-ROM出版物といわれる『最新科学技術用語辞典』を刊行したことでも知られている。
現在はデジタルコンテンツの制作などを手がけるブレイングループの一員として、出版活動を行っており、事業所はブレインの本社がある渋谷区神宮前の本社と、市ヶ谷受注センターに分かれている。従業員は25人、このうち市ヶ谷受注センターには浅野陽司取締役と前田実取締役を含め、業務部で3人、商品管理部で2人常駐している。
市販品と採用品を管理
市ヶ谷受注センターは、ブレインの協力会社であるインプレスグループの近代科学社の事務所の一画を借り、電動式スタックライナーを備えた地下倉庫を共同で利用させてもらっている。在庫は市販品として出荷する主要な商品をこの倉庫に常備しているほか、新座市の倉庫業者、城北商事で管理している。
商品は、販路別に書店ルートの市販品と、大学教科書などの採用品がある。採用品が25~30%を占める。また、ネット受注や教員などとの直接取引は5%程度だ。稼動アイテムは約2000点、市販品の新刊は年間60~90点、採用品は新刊と改訂を合わせて年間約20点。
教員のデータ管理に専任担当者
同社の扱い商品は、全体としては市販品が多いが、採用品の出荷は2~4月に集中するのに加え、市販品も語学関係書が多いためやはり春に需要のピークを迎える。このため春に繁忙期を迎える。
また、採用品には教授用資料(TM)や準備CDが付いたものが多く、こうした付属資料等は、本社から直接、採用した教員に送っている。こうした活動のためにデータベースで管理している教員は、英語関係で約1万4000人、ドイツ語関係で約3000人など、全体で2万人に達するという。教員を管理するため、営業部に1人担当を配置している。
採用品の営業は、1年間の採用状況から、次年度のカタログを送り、新刊が出た段階で見本版を一斉に献本する。これが毎年4~5点あり、各2000部ほど送る。合わせて全国の大学研究室等訪問という営業活動を展開している。
PCシステムで作業を効率化
オフコンを利用していたシステムを、光和コンピューターのパソコンシステムに切り替えたのは2010年、2009年に導入の検討を開始したが、同社のシステムを近代科学社が導入していたため、参考にできたという。
導入したのは販売管理と印税管理。本社にサーバーを置き、市ヶ谷受注センターには2台のクライアントを導入。書店や取次などからの電話、FAX、一覧表での注文をここで入力し、翌々日には出庫する。
城北商事で在庫管理している採用品については、同センターで伝票を作成してFAXやメールで出庫指示を送ると、同センターに配送されてここから出庫する。
「PCだとインターフェースが比較的自由で、データ抽出も簡単にできます」と浅野常務は話す。プログラムを作らなければならないオフコンに比べ、融通が利くことを実感したという。
また、浅野常務は「基本的に在庫表や管理表を帳票として出すことはしません」という方針。帳票作のためのプログラムを極力避け、CSVファイルで抽出して表計算ソフトなどで加工するようにしている。