日科技連出版社
ECサイトのリニューアルで使い勝手が向上
出版ERPシステム
(ECサイトのリニューアル)
日科技連出版社(文化通信BBB 2020/4/27 掲載)
㈱日科技連出版社
資本金 | 3200万円 |
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代表者 | 戸羽節文 |
所在地 | 〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-15-5 DSビル |
電 話 | 03-5379-1240(代表) |
H P | https://www.juse-p.co.jp/ |
日科技連出版社は昨年ECサイトをリニューアルし、スマホ対応や検索性の向上などを実現したほか、受注データの確認やメルマガ配信などサイト運営も効率化でき、来訪者の増加など効果が出ているという。
品質管理(QC)中心に出版活動
同社は一般財団法人日本科学技術連盟のグループ会社として1955年に設立された。
品質管理(QC)を中心として、1962年創刊のQCサークル活動をテーマにした月刊誌『QCサークル』を販売しているのをはじめとして、昨年は書籍を27点刊行した。
その出版分野は、TQM、品質管理・品質保証、QCサークル、信頼性工学、統計学をはじめ、数学、ソフトウェア工学、情報システム工学等の専門書、技術書、啓蒙書など。さらにマネジメントシステム関連、ISO認証関連、品質管理、各種検定などと多様だ。
主要な出版物としては『新版品質保証ガイドブック』、『新版信頼性ハンドブック』、『QC検定受検テキスト』(1級~4級)、『超簡単!ExcelでQC七つ道具・新QC七つ道具作図システム-Excel2013/2016/2019対応CD-ROM付』など枚挙にいとまがないほどだ。
使い勝手が課題だった旧ECサイト
以前のECシステムは自社開発で導入は早かったものの、「お客様にとっても当社においても使い勝手がよくないものでした」とリニューアル担当者は述べる。
当時はサイトの管理を個人業者に外部委託していたため、サイトの更新タイミングが遅れることや、削除が必要な誤った情報を数日間載せたままにしてしまうといったことが発生していた。
また、検索機能が脆弱で「今となっては笑い話ですが、社員ですらAmazonをデータベース代わりにしていました」(リニューアル担当者)という。スマートフォンやクレジットカード決済に対応できていないという課題もあった。
メルマガ、スマホ対応が必要
そうした状況に対して、戸羽節文社長の「出版社のECサイトは『静』であり、ネット通販サイトのような『動』のサイトにするようなお金は掛けられないが、1人でも多くの方に当社商品を知ってもらうにはメルマガやスマートフォンなどへの対応は必要」との考えからリニューアルを決断。
複数のシステム会社の提案を受けたが、「提案内容が当社が求めるものに即していたことと、これまでのお付き合いから信用度・信頼度が高く一緒に構築していくことができると判断しました」(リニューアル担当者)との理由で、基幹システムも導入していた光和コンピューターに決めた。
システム会社の決定から稼働までの期間は約9カ月と、当初予定していた6カ月を上回った。
その間、競合他社と比較した場合にどの程度のサービスレベルが必要なのかを検討したり、利便性、訴求力の観点から画面デザインの決定までに時間を要したほか、書籍の刊行分野と点数が多いことで検索機能を充実させることにも時間をかけたという。
また、リニューアルにあたっては経済産業省のIT導入補助金(サービス等生産性向上IT導入支援事業)を利用したが、この申請作業も光和コンピューターのサポートでスムーズに行うことができた。
注文の取り込みミスなくなる
リニューアルの成果は「課題の解決はもとより、思っていた以上のものが出来たと思います」とリニューアル担当者。
特に改善を実感したのが注文処理だ。以前のシステムでは、注文の取り込みを、注文データのファイル名を一つ一つ変更して登録するという作業を手動で行っていたため、取り込みミスが多く発生したが、リニューアルによって注文の取り込みは自動化され、管理画面やメールで複数の人間がデータを確認できるようになっため取り込みミスがなくなった。
クレジットカード決済についてはECサイトに組み込まなかったものの、各商品説明のページにネット書店のリンクを貼ることで購入する方法を多様化した。
また、課題だった「メルマガ」を配信したところ、Googleアナリティクスの集計で、配信後の数時間で入場者は前日の約3倍に達するという結果にも結びついた。
SNSなどでの発信にも注力
これからの課題については、「書籍の中身や魅力をどうすればもっとお客様にお知らせすることができるか」とリニューアル担当者。
今後はSNSなどを活用した情報発信をすることでECサイトへの呼び込みを図り、旧サイトでは約4%だったECの売上を伸ばすことを据えている。また、その先には「AI等でお客様の求めている内容の『本』がすぐにヒットするような仕組み」も目指しているという。