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事例紹介

Case

書店システム

今野書店
最新システム「BookAnswer3」を導入
コストダウンと利便性の向上を実現

新聞記事の内容《PDF》 A4資料《PDF》

書店システム
(BookAnswer3)
今野書店 様(文化通信bBB 2013/3/25 掲載)

今野書店

 今野書店(東京・杉並区)は2012年11月に光和コンピューターの最新書店システム「BookAnswer3」を導入した。「BookAnswer3」は店舗側でサーバーを設置する必要がないASPシステムで、同書店がこれまでに利用してきたシステムに比べ大幅なコストダウンを実現するとともに、本格的なクライアントサーバーシステムに匹敵する機能を組み込んだことで、利便性も向上している。

「BookAnswer3」は初の導入店に

 同書店はこれまで、やはり光和コンピューターが提供する「SUPERBookSHOP(SBS)」を利用してきた。SBSは販売管理から在庫管理、データ分析など書店業務全般を網羅したシステムで、店舗にサーバーとPC、POCレジを揃えていた。

 SBSを導入して5年余が経過したことで、POSレジが老朽化したこともあって、レジの入れ替えを検討していたが、「BookAnswer」の最新版として開発された「BookAnswer3」が、これまでより高機能化されたことから導入を決定。同システム初の導入書店となった。

 また、同書店が加盟している書店協業会社㈲Net21では、本部システムとして「BookAnswer}を利用しており、オンライン上で全加盟店の在庫検索や、出版社への販売データ提供「やまびこ通信」などが、このシステムで動いているという背景もあった。

 今野英治社長は、このデータを利用することで、経営の指針にしているという。Net21全店と自店の販売データを比較して、たとえ昨年ヒット作があったジャンルが前年比を割っていても、自店だけが悪いのか、全体がそういう傾向なのかを確認できるからだ。

大幅なコストダウンを実現

 SBSをリースで導入した場合、月10数万円のリース料金が発生するが、「BookAnswer3」の場合、同書店はこれまで本部システムとして「BookAnswer」を利用してきたこともあって、ASPを利用するために高くなる通信料を含めても、これまでよりは大幅なコストダウンになるという。

 ASPで外部のサーバーと交信するため、検索などの処理速度はSBSに比べて遅くなっているとはいうが、従来の「BookAnwer」よりはかなり改善されているという。さらに、これまでSBSで利用できていた機能が追加されている。

メイン取引以外の商品在庫も登場

 同書店では、栗田出版販売をメイン取引として利用しているが、それ以外に日教販、日本地図共販とも取引している。さらに、今野社長は週に1回は“神田村”を訪ね、中小の専門取引の店売で、直接商品を仕入れている。

 こうした取次や書店直接取引の出版社からは、これまで納品データの提供が受けられなかったため、従来の「BookAnswer」では、こうして仕入れた商品の在庫を反映させることができず、在庫があるのにデータ上は在庫マイナスになっているといった現象が起きている。

 しかし、「BookAnswer3」では、在庫データを登録することが可能になり、手作業にはなるが、納品データがなくても、在庫に反映させることができるようになった。

 また、ローテーション管理機能が追加されたことで、入荷商品に自店のジャンルを登録することができるようになった。これまでは、入荷した新刊は全て一旦は書籍・雑誌という分類に登録され、各担当者が分類変更で自分のジャンルの商品を登録していたが、いまは入荷データにはじめから取次などが使う一般的な分類がついており、自店と合わない商品だけを分類変更するだけでよくなったという。

各担当者が1点ずつ確認して補充発注

 同書店では、自動発注は使わず、すべて棚担当者が売れ行きを確認しながら発注する。今野社長をはじめとして、棚の担当を持っているのはアルバイトを含めて11人に達するが、各担当は「BookAnswer3」の機能を使って、前日に自分が担当するジャンルで売れた商品の一覧を出して、1点1点確認しながら発注している。

 売り場面積60坪に導入している機器は、レジカウンター1カ所にPOSレジ2台、レジカウンターと店奥のカウンターに検索や発注を行うPCが各1台置いて検索サービスなどに活用している。

POSデータ管理で万引き防止も

 さらに、今野社長に万引き対策について聞いてみると、「POSデータをみていることで万引きの痕跡を見つけることができる」という。

 各担当が日々、前日の売れ行きをデータで確認し、棚をチェックしているため、コミックスが数巻一度に購入される“オトナ買い”があったときなどは、比較的すぐに気がつく。

 実際に、昨年の春から販売履歴がないのに在庫がなくなるケースがいくつかあり、マークしていたところ、万引きの常習犯3人を発見し、うち2人は検挙につながった。その後は被害がなっているといい、しっかりした棚卸しと、日々のデータと棚のチェックが万引き防止に役立つ事例を紹介してくれた。