ビジネス教育出版社
システム導入で書店ルート拡大目指す
出版ERPシステム
(販売管理システム)
ビジネス教育出版(文化通信bBB 2016/2/29 掲載)
株式会社ビジネス教育出版社
創 業 | 1963年10月24日 (株式会社改組1964年5月11日) |
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資本金 | 2000万円 |
代表者 | 酒井敬男 |
所在地 | 〒102-0074 東京都千代田区九段南4-7-13 |
電 話 | 03-3221-5361 |
通信教育・セミナー・出版を展開
ビジネス教育出版社は2015年に光和コンピューターの販売管理システムを導入し、それまで手作業で行ってきた取次向け販売管理を効率化するとともに、今後の書店ルート拡大に向けて販売データの分析なども視野に入れている。
同社の主な事業内容は、金融機関・ビジネスパーソンに向けた通信教育・スクーリングの開催、公開セミナーの企画・開催、そして直販と書店ルートでの書籍出版だ。
通信講座は新入行員向けから相談業務、預かり資産、渉外・融資推進、融資・審査、リスク管理、マネジメント、簿記・財務、資格取得に関する82講座を開催。セミナーは、FP(ファイナンシャル・プランナー)が2年ごとに資格更新をするための「AFP継続教育」を中心に実施している。
書籍の出版は、「金融・実務」「ビジネス・実務・一般」「金融・ビジネス資格対策」の分野で135点を刊行している。販路は金融機関の支店などを通して注文を集める直販と、取次・書店ルートがある。
売掛金と入金把握のためシステム導入
これまで書籍の販売管理については、直販は市販のパッケージソフトを利用していたが、取次・書店ルートは比較的少なかったことから表計算ソフトの「EXCEL」などを使って管理してきた。しかし、「取次から入金の明細が来ても、常備や延勘など何時の入金なのか確認するのが難しかった」と総務部で経理を担当する黒木千弥子主任は話す。
当時は、データベースソフトの「Access」で納品伝票を作成、各取次ごとに請求書を発行し、伝票から金額を手入力するといった作業を行っていた。しかし、明細の履歴を残すことができず、「入金と売掛金の差額が大きくなって、これを把握するためにシステムの導入を検討していた」(黒木主任)という。
在庫管理も毎日更新に
同社の酒井敬男社長が、たまたま参加した業界団体の海外視察で光和コンピューターの寺川光男社長と知り合ったことから、システム導入が動き出した。これに合わせて、直販システムも導入し、直販についても同じシステムで管理することにした。
もともと取次納品の物流業務を委託していた日販物流サービスから、入出庫・在庫などのデータを日々メールで受け取り、システムに取り込む。そして入金の消し込みも行うことで、売掛金の把握もできるようになった。
在庫管理も以前は、月に1回、日販物流サービスから送られてくる在庫表に基づいていたため、「在庫が少ないものは、電話で改装できるか確認して出庫していました」と黒木主任。いまではほぼリアルタイムに管理できるようになった。
商品マスタなどを整備
システム導入にあたって、商品マスタを整備した。直販用在庫表では商品管理のコードにアルファベットが入っていたため、新システムに取り込むことが難しかった。そのため、ISBNコードをキーにしてマスタを整備した。
さらに、直販の住所管理についても、都道府県のコードを、通信講座で利用していたデータに合わせた。これらの作業には手間がかかったが、「こういう作業は最初が肝心です。社内で規定を決めておかないと、あとで変更があったときにすべて直さなければならなくなりますから」と黒木主任は説明する。
入金消し込みも楽に
新システムになったことで、基本的な業務の流れは変えないままで、請求書の出力や入金の消し込み確認などが楽になったという。特に、直販で発注と振込みの担当者が違う場合も多く、振込時に請求番号が入力されていないと、どの入金なのか探すのが難しいという課題があったが、新システムでは個人名、金額、請求番号、請求期間などを複合的に検索できるようになった。
販売データの利用も検討
現在は端末1台で、総務部の黒木主任と、直販担当の2人、取次担当の1人の計4人がシステムを利用している。今後の利用状況をみながら、サーバーの導入も検討していく考えだ。
また、書店の販売管理を行うためのPOSデータ分析も導入を検討している。「売れない場所に商品を出して返品が増えることが気になる」(黒木主任)というなかで、書店の販売データを収集して、より積極的に書店ルートを拡大していこうという方針があるためだ。