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事例紹介

Case

出版システム児童書出版

西村書店
出荷倉庫を関東に 販管システムをカスタマイズし連携

新聞記事の内容《PDF》 A4資料《PDF》

出版ERPシステム
(販売管理)
西村書店(文化通信BBB 2019/9/2 掲載)

西村書店

代表者 西村 正徳
所在地 〒951-8122
新潟市中央区旭町通1-754-39(新潟大学医学部前)
Tel 025-223-2388
fax 025-224-7165
東京支社 〒102-0071
千代田区富士2-4-6
Tel 03-3239-7671
fax 03-3239-7266
主な事業内容 医学書・芸術書・児童書・一般書籍等の出版

 新潟に本社を置く総合出版社の西村書店は、医学書だけでなく児童書、美術書も出版するようになった30年ほど前、光和コンピューターの販売管理システムを導入した。そして今年8月、出荷倉庫を自社の倉庫がある新潟から、関東の出版倉庫会社に移した。光和コンピューターは西村書店の本社にあるシステムをカスタマイズし、倉庫会社のシステムとの連携を構築した。

医学書専門から児童書、美術書なども発行

 医学書を中心に芸術書、絵本、一般書を発行する総合出版社の西村書店は1916年、現在も本社を置く新潟で創業した。1980年の『メイラー薬の副作用年鑑』の刊行を機に出版事業を本格的に始めた。当初、出版物は医学分野に特化していたが、今では児童書、美術書、一般書も出版しており、ジャンルは幅広い。

 現在、新潟本社と秋田支店で医学書出版への基礎となった医学書専門書店も営んでおり、出版営業・編集の拠点として東京支社(東京・千代田区)を置いている。西村正徳社長は「当初は洋書の医学書を輸入し、販売していた。全国に販売するため、東京にオフィスを作ったのもそのころ」と振り返る。

 西村安曇取締役総合企画部長も「80年代からフランクフルトなど海外のブックフェアにも参加しており、それをきっかけに医学書だけでなく絵本や美術書も手がけるようになった」と話す。例えば、イギリスを代表する女流絵本作家バーナデット・ワッツの本との出合いもあり、のちに20点ほど出版している。

米国の生物学教科書、写真絵本など話題作も

 西村書店の年間の新刊刊行点数は、2017年が38点、18年が24点と各年によってさまざまたが、毎年約20から40タイトルを発行している。

 近年発行した本で、話題になっているものも多い。医学書、理工書関連では、『カラー生物・生命科学大図鑑-未知への探求-』は、アメリカの中学校で使われている生物学の教科書の日本語版。今年1月に発売され、産経新聞などでも取り上げられた。『カラー版 国際診療のための内科アトラス大事典』も、アメリカで発行されている本の日本語版。同書のように、症例をカラー写真でたくさん紹介している本は、日本にはあまりないという。

 また、児童書でも「写真絵本」が注目を集めている。シリーズ「世界に生きる子どもたち」の第1弾『すごいね!みんなの通学路』は、世界のさまざまな地域で暮らす子どもたちがどのように学校に通っているのか、世界各国の通学風景を収めた1冊。17年に発行し、昨年の第64回青少年読書感想文全国コンクール(毎日新聞社など主催)の課題図書(小学校/中学年の部)に選ばれ、今年に入っても朝日新聞で紹介されたりしている。

 一般書では、ヨナス・ヨナソン著で、45カ国で刊行され計1500万部の大ベストセラーとなった『窓から逃げた100歳老人』の続編、『世界を救う100歳老人』が7月に出たばかりだ。

光和コンピューターの販売管理システム導入

 このように出版事業を始めてから、医学書だけでなく児童書、美術書も発行するようになり、事業が広がっていく中で、新潟本社に光和コンヒューターの販売管理システムを導入した。「医学書以外の扱いも増えてきて、作業が煩雑になるためシステムを入れた。それ以降、光和コンピューターとの付き合いもすでに30年近くになる」と西村社長。

 システムの導入後は、不具合等もなく継続して利用している。光和コンビューターによると、今年2月にパソコンが古くなり、起動も不安定になったことなどから、載せ替え作業を実施。指定のハードウェアを用意してもらい、光和コンビューター内で載せ替え作業を行った。西村書店の新潟本社に送った後はリモートで対応した。

ワタナベ流通に出荷倉庫システムを連携

 また、西村書店は8月1日から、新潟本社から出荷倉庫だけを、出版倉庫業者のワタナベ流通(本社・東京都)が所有する埼玉県内の倉庫に移した。ワタナベ流通では取次出荷のみで、返品はまだ新潟で受ける。西村取締役は「以前から倉庫を移そうと検討はしていたが、運送会社の値上げによって新潟からの運賃がとても高騰している」と、出荷倉庫の移設の理由について説明する。

 この移設に伴い、従来の販売管理システムをカスタマイズし、ワタナベ流通のシステムと9月から連携させる作業も進む。西村社長は「本社に従来のシステムも残り、倉庫も残る。出荷倉庫だけを移した。長期間保管には地方の倉庫を残し、分けてやってみることを選択した。今後、流通がどうなるのか、しつかり見極めることが重要になる」と見ている。

 西村書店が導入した光和コンピューターの販売管理システムは、今も現役。西村取締役は「昔から利用しているシステムを、改良に改良を重ねながら利用している。そして、ここで倉庫を変えたとしても、まだ同じシステムで対応してもらえるのはすごいこと」と感謝している。