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事例紹介

Case

出版システム専門書出版

大蔵財務協会
税務の専門出版でシステムを活用
導入してからの柔軟な改変を重視

新聞記事の内容《PDF》 A4資料《PDF》

出版ERPシステム
(販売管理)
一般財団法人 大蔵財務協会 様(文化通信bBB 2013/1/28 掲載)

一般財団法人大蔵財務協会

設 立 1936年8月28日
理事長 石坂匡身
本 部 東京都千代田区三番町30番地2 財協ビル
電 話 03-3265-4141(代)
その他事務所 札幌事務所、名古屋事務所、大阪事務所、西部事務所
職 員 86人

 一般財団法人大蔵財務協会は、税務関係の専門書籍と定期刊行物の発行を中心としていることから、専門家への直接販売が比較的多く、市場分析の方法なども一般の出版社とは異なることがある。同協会が光和コンピューターのシステムを導入して5年、作業の効率化といった目的から、データの活用といった次のステップに向けて進もうとしているという。

年間刊行点数は約100点

 同協会は1936年(昭11)に大蔵省(現在の財務省)の外郭団体として設立され、2011年には一般財団法人に移行した。

 同協会は事業目的として「財政金融に関する調査研究・啓蒙普及事業及び財政金融など経済・社会に関する情報提供事業等を行い、わが国経済・社会の健全な発展に寄与することを目的とする」と定め、この事業目的を達成するため、週刊のタブロイド新聞『税のしるべ』(9万部)と、B5判の週刊『国税速報』(2万部)という定期刊行紙誌、そして書籍は年間で約100点と小冊子を20点余を発行している。書籍のほとんどが国税・地方税分野で、一部に経営関係の実務書もある。定番商品の改訂版が多いため、稼動点数は約250点と小冊子約50点で、合わせると300点程が動いている。

 対象となる読者は、税理士、会計士といった職業会計人や企業が中心になる。書店ルートでも、紀伊國屋書店、ジュンク堂書店、丸善など全国で約300店の常備店がある。

直接販売が7割

 「当協会では取次・書店ルートの比率は3割程度で、あとの7割は直接販売です。そのため、書店のPOSデータを収集・分析するような、一般的な出版社で求められるシステムとは違います」と、システムを担当する同・野村昌司統括課長は話す。

 例えば、全国を12ブロックに分け、営業活動を行っているため各ブロックごとに営業担当者を設けている。販売データについても、このブロックごとに確認する必要があるため、通常の都道府県別の分析では対応できない。

 また、書籍の発行は年間を通して行われるため、それぞれの書籍が発行される都度ユーザーに対して情報を送る必要がある。

 谷津知巳部長は「システムもこうした業務に合わせてもらう必要があります。そのため、導入時のシステムの善し悪しだけでなく、その後の対応が大切です」と、同協会でのシステム導入のポイントを説明する。

柔軟だった光和のシステム

 現在のシステムを導入する以前は、オフコンで独自開発のシステムを利用していたが、『税のしるべ』とその他の刊行物で2つのシステムを使っていたという。

 しかし、組織改編に伴い、内部システムを統合することになり、合わせてオフコンからクライアントサーバーシステムへの移行も図ることになった。

 新システムを導入するに当たっては、複数の業者のシステムを検討した。その中で光和コンピューターを選択した理由について野村統括課長は、「はじめは大手システム会社のものを考えていましたが、それだと型にはまってしまうイメージでした。光和コンピューターは、比較的柔軟性のある開発言語MRDBをつかっており、システムを導入したあとも柔軟に対応してもらえると判断した」と話す。

 実際システムを導入した2007年から5年がたつが、「書籍と定期刊行物の管理を合わせたりするのは面倒ですが、こまめに対応してもらっています」と谷津部長は評価する。特に同協会を担当した光和コンピューターのシステムエンジニアの対応には満足しているという。

今後はDBの活用などが課題

 現在のシステムを導入して、オフコン時代に比べると作業効率などが向上し、「販売、営業準備については合理化が進みました」(野村総括課長)と満足しているが、その間に蓄積したデータを活用するといったステップに進むことが次の課題だという。

 「いまは日常の管理業務も経営分析も同じデータベース上で行っていますが、分析に使うとシステムが遅くなって日常業務に影響が出るといったこともあります。また、経営分析はシンプルな操作、帳票にするようにしたいということもあります。それぞれの作業が影響しないようなデータベースにしたいと考えています」と野村統括課長は話している。

 官公庁による電子データ公開なども進む中で、より線密なデータ管理に基づいたこまめな販売活動を進めるためにも、システムの役割はますます大きくなるといえそうだ。