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事例紹介

Case

出版システム専門書出版

清文社
実績、在庫管理の確認も簡単に
伝票・書籍ごと管理できるようカスタマイズ

新聞記事の内容《PDF》 A4資料《PDF》

出版ERPシステム《実績、在庫管理》
株式会社 清文社 様 (文化通信bBB 2008/11/3 掲載)

株式会社 清文社

設 立 昭和39年2月4日
業 種 出版業
資本金 70,000,000円
従業員 60名
代表者 代表取締役社長 小泉 定裕
本 社 大阪市北区天神橋2丁目北2-6 大和南森町ビル
東京支社 東京都千代田区神田司町2-8-3 吹田屋ビル

 財務・経営・法律事務所を中心に刊行する清文社(本社・大阪)は、3年前にオフコンシステムから光和コンピューターのクライアントサーバーシステムに変更した。税理士や会計士などへの直接販売が売上の8割近くを占めるという営業スタイル向けにカストマイズし、システムの自由度が上がり、在庫管理が容易になるなどの効果を発揮している。
 同社は古くからコンピューターシステムを導入しており、1997年からはIBMのオフコンで、オーダーメイドの販売管理システムを利用してきた。
 しかし、オフコンは操作のために専任担当者をおく必要があるうえ、データをいろいろなところで加工することが難しく、また、蓄積できるデータに限界があったために紙で資料を保管しておかなければならないなど、不自由さがあった。
 そのため、システムの更新を迎えた時期に、関係部署で検討した結果、パソコンによるシステムに変更することを基本方針に、具体的に導入するシステムの検討を行ったという。

イージーオーダーのシステムを選択

 光和コンピューターのシステムに決めた理由を、佐々木伸夫取締役総務部長は「以前のようにオーダーメイドでプログラムを組むか、市販のパッケージソフトを使うか、それとも既存の基本プログラムを当社のやり方に合わせるイージーオーダーにするかを総合的に検討し、イージーオーダーを提案していただいたなかで、出版に特化していて印税・原価管理も連動できる光和コンピューターに決めました」と説明する。

 導入したシステムは、販売管理、印税支払い管理、原価管理、仕入管理で、経理システムは別にしている。

直接販売が8割弱

 同社は、企業・団体への直接営業と、税理士・会計士・弁護士など個人へのダイレクトメールなどの営業活動を行っており、こうした読者への直接販売が80%近くを占めているという。

 現在の刊行点数は年間200点ほど、税務図書などは法改正があれば内容が変わるため、基本的には商品寿命が1年間というものが多い。

 「不特定多数の読者対象というよりも、職業上、税務や会計の知識を必要とされる人に向けて出版しているので、そういう需要のリピーターが多い」(佐々木部長)ため、一般の出版社とは違った販売管理が必要となる。

伝票、書籍ごとに細かく管理

 その具体的内容について営業部・阪口美和さんは「お客様個人との直接のやりとりなので、売掛金などは1回の取引ごとに管理する必要があります。お客様によっては間違えて購入して、5冊のうち1冊を返品したいという場合があり、どの伝票のどの商品を消しこむかといったことが必要になります」と説明する。

 このため、光和コンピューターのシステムは基本的に取次・書店ルートへの対応が中心だが、「同じお客様が同じ本を何冊か買って頂いた場合、どの注文分入金があったのかを把握できるように、伝票、書籍ごとに管理するシステムを構築して頂きました」(阪口さん)など、カスタマイズしたという。

大阪本社と東京支社で簡単に在庫確認

 このシステムを導入した効果について、総合企画室・浅田祐子さんは、「顧客を大分類、中分類とグループ化していますが、オフコン時代に比べて分類の種類を簡単に増やしたり減らしたりできるようになりました。そのおかげで、グループごとの売上や、どの本をどのくらい納品したのかという実績も簡単に分かるようになりました」という。

 また、オフコン時代は見えにくかったという在庫状況も、本社と東京支社の各人のパソコンで簡単に確認できるようになった。同社は社員60人のうち、東京支に20人を配し、営業も大阪13人、東京7人の体制。この料拠点で情報を共有できる効果も大きいようだ。

 在庫・入出荷といった物流業務は倉庫業者に委託しているが、倉庫にも端末を導入して日々の入出庫状況を入力している。これによって、「以前は倉庫に直接何冊あるか人を介して問い合わせたりしていましたが、いまは編集部でも自分が担当した著者から紹介があればPCで確認できます。

 このことは、編集者のモチベーションを上げる効果もあります」(佐々木部長)という。

人事制度変更で原価管理システムも

 また、今年の4月から新しい人事制度を採用したのに伴い、業績に連動した成果を問う評価制度を取り入れた。このため、各部門ごとの実績を把握する必要があり、販売目標の達成率を確認することもできる。

 印税や原稿料の支払いについては、編集部で登録したものがそのまま支払い報告書に反映されるようになったため、総務部が別システムで入力する必要がなくなった。延べ600人にのぼる著者への支払調書作成も、データを取り込むことで自動的に行えるようになった。

 一方、導入に当たって苦労したことは、「以前はオーダーメードのシステムだったので使い方に慣れていたが、今度はイージーオーダーに変わったため、ある程度こちらがシステムにすり寄っていく必要があり、馴染むのに一定時間がかかった」という点だった。

書店のPOSデータも活用へ

 取次・書店ルートも、最近は比率が高まっているという。「これは団体向けの売上が伸び悩んできたため、意図的に書店で売れるような商品を作り、書店売上を伸ばそうとしている結果です」と佐々木部長。

 現在、取次ぎは日本出版販売、トーハン、大阪屋、全国官報販売協同組合などと取引しており、専任の営業担当者もおいている。最近は、Pネットや紀伊國屋書店「Publine」でPOSデータも収集しており、自社の出荷実績と店頭での動きを比較するなどの分析も始めているという。

 また、ホームページ(http://www.skattsei.co.jp)での販売にも力を入れており、今回、Webの販売システムも光和コンピューターが作成した。現在、Webから注文してくる利用者はそれほど多くはないというが、「世代が変わっていけば利用も増えるのではないかと考えている」(佐々木部長)という。