デジタル・オンデマンド出版センター
第21回東京国際ブックフェア
ビジネス情報の見どころ
出版ERPシステム
(デジタル・オンデマンド出版センター)
弊社・大日本スクリーン製造など(文化通信bBB 2014/7/2 掲載
弊社 柴崎社長 東京国際ブックフェアのブース風景
光和コンピューター・大日本スクリーン製造など
出版システム開発・販売の光和コンピューターと大日本スクリーン製造(SCREEN)は、7月2日から開幕する東京国際ブックフェア(TIBF)に共同出展し、このほど両社などが立ち上げた協業事業「デジタル・オンデマンド出版センター(DOD出版センター)」が提供する低コストで少部数の出版を可能にする新しい出版形式「デジタル・オンデマンドブック」を提案する。
製造から流通まで一貫したソリューション
DOD出版センターは,光和コンピューター、SCREEN、メディアテクノロジージャパン、京葉流通倉庫の3社の共同事業として設立。SCREENが開発したロール紙に印刷するインクジェットデジタル印刷機「Truepress Jet520」などを活用し、A5判並製、カバー等付物なし、用紙、刷色数などを統一した標準仕様を設定することで、従来よりも小ロット、低コストでのプリントオンデマンド(POD)サービスを実現する。
出版社がウェブで発注などができるウェブプラットフォームを光和コンピューターが開発。さらに、出版倉庫の京葉流通倉庫が加わることで、商品の保管、出荷、スリップなど付物の装着が可能という印刷・製本から流通までの一貫したソリューションを提供する。
デジタル印刷機で低コスト実現
出版社がPOD化する出版物のPDFデータや組版データなどを提供すると、同センターでデータを加工して品質のレベルを整えることで、協業する印刷会社で印刷しても一定以上の品質が保証される。また、現物からのPDF化も請け負い、作成したデータは出版社に納品する。
印刷・製本でデジタル印刷機を利用すれば、複数の出版物をロール紙(輪転機)に一括印刷することができる「付け合せ印刷(JOBギャンギング)」が可能なため、違う銘柄の出版物を同じロールにまとめて印刷することで、1冊からの製作も低コストで行うことができる。こうして1冊あたりの製作費も低く抑えられるのが特徴。
テストでは256ページ820円を実現
同センターではテストマーケテイングの料金として、1冊あたりの基本料金を180円と、1ページあたり2.5円に設定している。256ページで製作した場合、1冊あたり820円となる。また、オプションで多様な判型、表紙加工、付き物などにも対応している。
データ化サービスの料金は、底本提供の場合、スキャンニング・データ編集・登録料で2万円。サンプル見本1冊と原寸データを出版社に提供する。PDFで提供する場合は、データ編集・登録料、サンプル1冊の提供で1万円。
同センターが主に想定しているのは、中小出版社のリメイク本。品切れして重版できない書籍をPODで小ロットや1冊から製作することで、極めて少ない需要を掘り起こすことを可能にするとみている。
TIBFでは専門出版社などが14点を提供
TIBFのブースでは、専門出版社の団体「出版梓会」に所属する音楽之友社、白水社、ビジネス教育出版社と、山梨日日新聞社の出版物14点を実際に作成し、POD版の展示・販売を実施するほか、日本教文社のPOD版も見本版として展示するなどのテストマーケティングを実施する。
テストマーケティングの出品書目は次の通り。
▽音楽之友社=ミハイル・アールドフ著『わが父ショスタコーヴィチ』底本発行年月2003年7月
▽日本教文社=ウィリアム・ジェイムズ著『W・ジェイムズ著作集1 心理学についてー教師と学生に語るー』同1960年12月、ウィリアム・ジェイムズ著『W・ジェイムズ著作集6 多元的宇宙』同1961年5月、ラルフ・ウォルドー・エマソン著『エマソン選集5 美について』同1961年10月、ラルフ・ウォルドー・エマソン著『エマソン選集6 代表的人間像』同1961年2月、トマス・カーライル著『カーライル選集2 英雄と英雄崇拝』同1962年7月、ジグムンド・フロイド著『フロイド選集3 続精神分析入門』同1977年1月、ジグムンド・フロイド著『フロイド選集17 自らを語る』同1977年6月、カール・グスタフ・ユング著『ユング著作集1 人間のタイプ』同1970年5月、カール・グスタフ・ユング著『ユング著作集4 人間心理と宗教』同1970年8月
▽白水社=辰巳和弘著『高殿の古代学』同1990年2月、町田和彦著『華麗なるインド系文字』同2001年1月
▽ビジネス教育出版社=『新訂 梵鐘と古文化』同1993年10月
▽山梨日日新聞社=『フォーカスやまなし(上)』同2014年5月